アメリカで旬なドラマ『Claws』はネイルサロンが舞台

日曜日に、私がネイルの仕事を始めてことで、今とっても面白いドラマがあるので是非見るように、友達から言われました。ドラマの舞台はフロリダのネイルサロン。トラッシー な個性溢れる5人のネイルテクニシャンたち(アメリカではネイリストとは言いません。ネイルテクニシャンと言います。)のお話です。ここで注目したいのは、アメリカドラマ史上では始めて、舞台設定がネイルサロンだと言うことです。

ドラマのお話をする前に、アメリカのネイルサロンの今をちょっと余談ではありますが、記載しておきます。

過去アメリカのネイルサロンは、韓国人の移民よって市場は支配されていました。その後、ベトナム人が参入し、そして中国人経営のサロンが15年前ぐらいからドンドン増えて行きました。その中国人たちが経営するネイルサロンによって、価格破壊が進み。アメリカのネイルサロンはデフレーションの一途を辿っていました。

ネイルサロンはゆっくりとリラックスしヒーリングする場所・・・なんて言うことは夢のまた夢の世界。ネイルサロンのクオリティーは低下し、何時しか、多くネイルサロンはまるで立ち食い蕎麦屋のような速さ安さを、提供する場所になっていました。安さを売りにしているネイルサロンでのトラブルも、氾濫していました。ですから、もちろん従業員の待遇は最悪、衛生的なネイルツールを使っていないところから、お客さんが皮膚病に感染したり、それに付け加えて、常に使用する化学薬品による悪臭、それに対応していない空調設備などなど、悪臭の漂う空気の悪さで、ネイルサロンは地獄のような場所に変わり果てて行きました。

そこへ参入したのが、日本のネイルサロンです。まさにアメリカネイルサロン市場にとっては青天の霹靂が日本のネイルサロンの北米進出でした。今までのネイルテクニシャンは、英語も満足に話せないアメリカの底辺で働く女性達が、無言で黙々とお客の爪をファイルしていました。ところが、日本のサロンは、ネイルテクニシャンが若い、そしてコミュニケーション(英語が出来なくても)をする努力をする、またサロンは清潔で、まともなカスタマーサービスを提供しました。客を物のように扱う今までのサロンとは、違う空間でした。

更に、日本のサロンはGELという新しい素材を持ち込み、ネイルアートと言う分野で長けていました。もちろん、GELもアメリカのネイル業界にはありました。ただ、今までのGELはハードGELと言うものでした。(GELを落とす時にアセトンでは取れずGELを削って取る方法しかない、爪を酷使するGEL)日本のサロンは、ソフトGELと言うものをアメリカに持ち込みました。ネイルアートもアメリカにありましたが、とても美しいといえるものではなく、ネイルにアートを施すことはクラッシーではないと言う風潮と固定観念がありました。しかし、日本のサロンが施していたネイルアートは職人技の芸術品に近いものでした。

それでも、なかなか日本のネイルアートがアメリカのネイル市場の表舞台に立つのには、10年ほどの時間を要しました。しかし、2017年アメリカのネイル業界は変わりつつあります。過去のアメリカファッションの歴史上、ネイルは洋服、靴、装飾品、ヘアー、そして最後にネイルといった順序で、ファッションのメインストリームにはなれない、陰の存在でした。

私は、NYのトレンドしか語れませんが、2016年ぐらいからNYのネイル市場は大きく変わりつつあります。

なんとアメリカ人の経営する大手のネイルサロンが次々とオープンしだしたのです。そのような新しいサロンのオーナーは、ファッション誌の元エディターであったり、ファッションマガジンの編集者とコネクションを持っていたりと、華やかな世界の人々と接点を持っている人たちが経営者なのです。

そして、話はこのドラマに戻りますが、「CLAWS」←(ロブスターの爪のことを言います。)と言うドラマは、まさにトレンディー中のトレンディーなネイルサロンが舞台になっているドラマなのです。また、その中の主人公の一人はブレイクアウト寸前と言われている、とってもチャーミングなカルエッチ・トランは自分の インスタグラム (この方、singer クリス・ブラウン のガールフレンドだそうです。)にガンガン自分のネイルをアップするのです。この方の影響は大です。

残念なことに、アメリカでも始まったばかりのドラマなので、日本にいる読者の皆さんは、まだ見ることが出来ませんが、アメリカで大ヒットしたドラマは、きっと日本でも見ることが将来視聴できると思います。それに期待して!

今日は、アメリカのネイル業界のトレンドを、ちょっと厚く語ってしまいました。

NYのお洒落なネイル市場は今本当に旬なのです。

動画はTNT、画像はMary J. Bligeからお借りしました。